「築30年以上経っているけど、この家まだ使えるのかな?」
「見た目はきれいだけど、中身は大丈夫なんだろうか…」
中古住宅のリフォームを考えるとき、築年数が30年を超えているかどうかは非常に重要な判断基準です。
外から見えない構造や配管に問題があることもあり、リフォームで想定外の出費やトラブルにつながることも。
この記事では、築30年以上の中古住宅をリフォームする前に必ず確認すべき5つのチェックポイントを、現場の視点から詳しく解説します。
後悔のないリフォーム計画の第一歩として、ぜひお読みください。
1. 建物の構造と耐震性は問題ないか?
築30年以上の住宅は、旧耐震基準(1981年以前)で建てられている可能性があります。
特に木造住宅は、地盤や基礎に経年劣化があると地震で大きな被害を受けるおそれがあります。
チェックポイント
- 建築確認日が1981年6月1日以前なら、耐震診断を推奨
- 壁の配置や金物の有無、基礎のヒビ割れを確認
- 市区町村によっては無料の耐震診断・補助金制度もあり
2. 水道・配管の状態は劣化していないか?
築30年を超えると、給排水管の錆・つまり・漏水が発生していても不思議ではありません。
床下や壁内にあるため、見た目ではわかりづらいのが厄介な点です。
チェックポイント
- 床下点検口から鉄管・塩ビ管の状態を確認
- 赤水が出る、悪臭がする場合は配管交換を検討
- リフォームと同時に水道リフォームもセットで計画するのがおすすめ
3. 屋根・外壁の防水性は保たれているか?
外観が整っていても、防水機能が失われているケースは少なくありません。
特にコーキングの劣化や小さなヒビは、放置すると雨漏りにつながります。
チェックポイント
- コーキングのひび割れや浮き、外壁のチョーキング(白い粉)
- 屋根材の剥がれ・色あせ・浮き
- 雨漏り箇所は室内の天井にシミが出ていないかで確認
4. 電気設備・分電盤は現行基準に対応しているか?
古い家では、分電盤が旧規格のままでブレーカー容量が不足していることがあります。
近年の電化製品は消費電力が大きいため、電気設備の見直しも重要です。
チェックポイント
- ブレーカーの型式・回路数を確認(20A以下なら要注意)
- コンセントの数・位置が生活に合っているか
- エアコンやIH導入予定があるなら分電盤の交換も検討
5. シロアリ・湿気・断熱など“見えない劣化”のチェック
床下や壁内は、シロアリ被害・断熱材の劣化・カビなど、住環境に関わるトラブルの温床になりやすい場所です。
チェックポイント
- 専門業者による床下点検・防蟻調査を実施
- 断熱材が入っていない(または劣化)している可能性がある
- 冬の寒さ・夏の暑さを考慮し、断熱・防音リフォームも同時検討を推奨
よくある質問(FAQ)
Q. 築30年以上の家はリフォームするより建て替えた方が良い?
A. 建物の状態によります。構造がしっかりしていればリフォームで十分。
ただし耐震性が不十分+間取り変更が大きい場合は建て替えも検討しましょう。
Q. リフォームに補助金は使えますか?
A. 使えます。耐震補強・バリアフリー・断熱など、目的に応じた支援制度があります。
自治体のホームページや住宅省エネ2025キャンペーンをチェック。
Q. 費用はどれくらい見ておくべき?
A. 範囲にもよりますが、フルリフォームなら800万〜1500万円前後が目安です。
部分リフォームでも、屋根や配管は100万前後のケースもあります。
まとめ|築30年の住宅リフォームは「調査」と「計画」がカギ
築30年を超えた中古住宅でも、事前にチェックすべきポイントを押さえておけば十分再生可能です。
むしろ、しっかり手を入れれば、新築以上に快適で長持ちする家に生まれ変わることもあります。
失敗しないためには、
- 現状を専門家と一緒に丁寧にチェックする
- 耐震・配管・断熱など“見えない部分”から優先的に改善する
- 一度に全てやろうとせず、段階的な計画で無理のないリフォームを
リフォーム前のひと手間が、住まいの価値を守り、暮らしの質を高める第一歩になります。

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