「まさか、こんなはずじゃなかった…」
リフォーム現場では、そんな声が後を絶ちません。
リフォームは理想の暮らしを手に入れるための大切な手段ですが、想定外のトラブルや見落としによって、大きな後悔につながるケースも少なくありません。
この記事では、元現場監督として実際に立ち会ったリアルなトラブル事例を5つ紹介し、その回避策までを解説します。
これからリフォームを考えている方が、同じ失敗をしないためのヒントになれば幸いです。
トラブル①:図面と違う場所にあった電気配線で工事中断
発生事例
既存図面では電気配線が通っていないはずの壁を解体したところ、想定外の配線が埋まっており、作業が完全にストップ。
電気工事会社の再手配と設計変更により、1週間の工期遅延と追加費用が発生しました。
原因
- 旧図面の更新漏れ
- 現場での事前確認不足
回避策
- 解体前に**非破壊検査(配線探査機)**を利用する
- 必ず現地調査+現場監督の立ち会いで事前確認を徹底する
トラブル②:床をめくったらシロアリ被害が発覚
発生事例
床板をめくった瞬間、土台や根太の一部に活発なシロアリ被害が確認され、急きょ防蟻処理と木部補修を追加実施。
結果的に、見積金額が20万円以上アップ。
原因
- 築年数30年以上
- 目視点検のみで進行した
回避策
- 築古住宅では床下カメラや専門業者による事前診断を行う
- リフォーム前に「土台・構造材の現況調査」を必ず実施
トラブル③:施主と職人の意思疎通不足による仕上がりの食い違い
発生事例
壁紙の柄指定が「サンプルのA」と伝えたつもりが、実際には「A類似品B」で施工。
施主側の思い込みと職人側の伝達不足が原因で、クロス全面張り替え(自費)対応となりました。
原因
- 口頭指示で終わらせてしまった
- 最終確認プロセスが曖昧
回避策
- 仕様書・承認図での確認と署名を行う
- LINEやメールでの履歴残しを徹底
トラブル④:水回りの配管位置変更が構造制約で不可能に
発生事例
キッチンを移動したいという要望でプランを進めたが、床下スペースが狭く、勾配が確保できず排水管の施工が不可能と判明。
原因
- 構造や配管ルートの確認を事前に行っていなかった
回避策
- 設計初期段階で配管経路・勾配の可否を確認する
- 水回りの移動には構造+勾配+配管口径の3点を要チェック

トラブル⑤:隣家との境界トラブルで外構工事中断
発生事例
フェンス工事の際、ブロック塀が隣地境界を2cm越えていたことが判明。
隣人から工事差止めの申し入れがあり、調整と境界立会いで2週間の工期延長。
原因
- 現況と登記簿との境界差異を把握していなかった
回避策
- 外構工事を伴う場合は土地家屋調査士による事前測量を行う
- 境界線が曖昧な場合は、隣地所有者との立会い調印が安心
まとめ|リフォームは「現場での想定外」が必ず起きる
リフォーム工事は、既存住宅を前提とする以上、「図面通りにいかない」ことが前提です。
そのため、成功のカギは次の3つ:
- 現場調査を徹底し、図面だけで判断しないこと
- 関係者との認識のすり合わせを丁寧に行うこと
- 少しのコストを惜しまず“下準備”に投資すること
「安心して任せられるリフォームパートナー選び」も、トラブルを防ぐ最も確実な方法です。

よくある質問(FAQ)
Q. 中古住宅リフォームではどこまで事前調査すべき?
A. 解体前に床下・天井裏・壁中・配管などのチェックを行い、「現況図面の再作成」が理想です。
Q. 現場監督はどんな役割をしてくれるの?
A. 職人への指示・工程管理・品質確認などを一手に担います。「信頼できる監督=リフォーム成功」の公式は間違いありません。
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